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うず・・

2012年11月19日

 押入れから『うず』と題された小学校の卒業文集が出てきた。「うずとは何事も巻き込んで力強く前進する」と校長先生の言葉が記されていた。担任の先生や同級生の顔が瞬時に甦る。それは十二歳のまま止まっていた。  さっそくパソコンで学校名、同級

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文庫の中に・・

2012年10月15日

 書店の棚に文庫オリジナルの捕り物・推理が並んでいる。剣に鋭く頭脳が冴える同心、将軍の落し種や大名の遺児が活躍する「若さま」もの、家来の「龍さん、虎さん」を従えた水戸黄門の曾孫、遠山の金さんが異母弟銀四郎と「金さん銀さん」としてコンビを

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つながる・・

2012年9月17日

 ホテルで荷物預けもそこそこに山の手の異人館から街並みを俯瞰し、明治の香り漂う坂道を下り港へ向かう。平清盛が拓いた神戸港は今も貿易の要である。公園の一角に大震災の傷跡が遺されていた。その夜は南京町で一献傾ける。  源平のおさらいは須磨

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かけ橋・・

2012年8月27日

 乗船待ちをしていると係員に「雨でも船は大丈夫ですよ。出航まで間があるからそこの足湯に浸かってみたら・・」と奨められ、篠突く雨の中で気持ちを和ませる。そこは淡路島南端の福良港。  岸壁を離れた観潮船から「音に聞こえた~鳴門の潮で~♪」

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記と紀・・

2012年7月17日

 日本最古の歴史書「古事記」が編纂され1300年になる。語り部の稗田阿礼が暗唱するのを太安萬侶が編纂した。  この壮大な物語の舞台を訪ねたいと国生み神話の島へ渡った。高速バスは神戸三宮ターミナルを後に舞子から明石海峡大橋を跨ぎ九十分で

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五十年・・

2012年6月18日

 昭和三十八年六月五日、一枚のレコードを買う。萌黄色のジャケットに詰襟姿。前奏だけで誰もが判り、詞を諳んじ、歌声は知らない人を数えた方が早い。  のちに文化庁が選定した「日本の歌百選」に収められ、後世へ残す日本を代表する歌となる。しか

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源氏と平家・・

2012年5月21日

 子供のころ少年少女文学全集の源平合戦に胸をワクワクさせ、源氏一族や平家一門の名前を諳んじていた。 小学校の図書館で「平家物語」を見つけ、続いて「源氏物語」を読んだところ、義経も清盛も出てこない。以来、源氏物語に手が出せなかった。

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八雲立つ・・

2012年4月16日

 歴史が好きで最初に読んだ物語が日本神話。出雲の旅は神話の世界を身近に感じさせてくれた。このツアーで八雲町から参加されたご夫婦に知己を得た。八雲と謂えば、須佐之男命が八岐大蛇退治の後、居を構えた出雲を詠んだ日本最古の和歌が浮かぶ。  

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美ら国エレジー・・

2012年3月19日

 小学生の頃に切手ブームがあった。ストックブックに収めた色とりどりの図柄の中で、大蔵省印刷局製造、3¢、守禮門復元記念と書かれた「琉球切手」に外国を感じた。  日本の海賊に滅ぼされた琉球王の遺児たちが、室町末期の山城の国を舞台に王城再

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香のもの・・

2012年2月20日

 好物の一つに漬物がある。舌の記憶は大根、人参、蕪・・夏は胡瓜や茄子に西瓜の皮など関東の糠漬けがオフクロの味。  北海道は晩秋になると鰊漬けや鮭のはさみ漬けなどを仕込む家庭も少なくない。久々に寄ったスナックで大ママ手作りの漬物を出され

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