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一枚から・・

2015年12月21日

 オークションで入手したレコードの「南総里見八犬伝音頭」を聴く。ジャケットには、頬杖を突いたやさしい面立ちの少年。唄っている松永有生(ゆうき)君の透き通ったボーイソプラノのような声に、一瞬女の子かと聞き間違える。昭和57(1982)年の

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東京銀座・・・

2015年11月16日

 入社して二つ目の事業所は、東京の亀戸であった。日本の経済成長が安定期に入った昭和50年代、世の中が明るく社内も活気に満ち、下町人情に触れた日々は、ひとしお懐かしさを感じていた。  夏の初め、その時の仲間から社友会の案内を受ける。当時

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雨・・

2015年10月19日

 旅に出かけるとき一番気になるのはやはり天候だ。「オレは晴れ男・・」と思いつつも、毎朝の天気予報が気になる。小学生の頃、修学旅行の前は決まってテルテル坊主を軒先に吊るしたもので、幾つになっても晴れた空を願う気持ちに変りはない。  この

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錯覚・・

2015年9月28日

 京都駅から山陰本線の快速で10分余、嵯峨嵐山駅に着き案内板に従い15分ほど歩いた。そこが平安時代の嵯峨天皇の離宮で、門跡寺院の格式を持つ空海ゆかりの大覚寺。  門前で若い僧侶から「おはようございます」と挨拶され、境内そこかしこにその

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袖が・・

2015年8月10日

 降りしきる雨は、石段を上がるたびに傘の滴となって背中を濡らす。織田信長を祀る船岡山の建勲(けんくん=正式には、たけいさお)神社の手水舎はすでに人垣があった。  「中へどうぞ」と隙間が作られ、誰かが「十時からですよ」言った。間もなく神

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並ぶ・・

2015年7月21日

 そこは、房総半島の真ん中あたりの富津市、内房線の浜金谷駅近くに建っている。目の前は海で、対岸の三浦半島をフェリーが結ぶ。東京からはアクアラインを抜ければ、車で1時間半の近さだ。  金谷美術館の開館5周年記念特別展として、房総を物語の

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着る・・

2015年6月15日

 背広を脱いで6年余り経つ。クローゼットに背広10着、ネクタイ数十本がクリーニングのビニールのままで眠っている。  いまはジーンズとTシャツ、冬はトレーナー姿で過ごしてきた。運動と言えば歩く程度。大のお菓子好き、チョコレート・ビスケッ

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ひととき・・

2015年5月25日

 毎月読む「ひととき」と言う雑誌は、20年以上続くJR東海のCM「そうだ京都、行こう。」の特集号が切っ掛けだった。巻末には東海道・山陽新幹線ルートマップと時刻表があり、そのエリアをテーマに組まれている。  すでに訪れていた竹田城や赤穂

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その時に・・

2015年4月20日

 よく目にするのが「捨てる」とか「思い切る」の文字と「断捨離」という言葉。これを自分に当てはめたなら、ストレスを起こしそうだ。  街に出かけると先ずは書店を覗き、音楽ショップで試聴。パソコンから古書店目録やオークションを漁る。こうして

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ひびく・・

2015年3月16日

 今年も写真に添え「家族が増えた」「大きくなった」と書かれた賀状が少なくない。「正月はどうでした」と訊くと「孫の相手だった」とか、「この秋生まれる5人目の孫が愉しみ」のメールを開き苦笑する。  家の近くが通学路で、朝から子供たちの声が

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