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エッセイSP(スペシャル)

温か・・

たかやまじゅん

2016年3月21日

 冬は人の背丈ほどに積まれた雪が辺りを暗くし、すり鉢型のような道になる。道幅は狭まり、さながら〝桶狭間の戦い〟ならぬ雪狭間の戦い!?を人と車が呈していた。だが、温かい日が続き雪も少なく、今年は家の周りが明るい。
 側に小学校の通学路がある。好奇心旺盛な低学年の児童は、雪の山に登るのが面白いようで、下校時によく見掛けた。これが危険をはらむことから、学校と連携し注意を払ってきた。
 年明け、早々に排雪が入った。顔見知りの教頭先生に「要請したのでは・・」と尋ねると、頷かれた。日頃から子供たちに温かな目を向けている先生だ。雪山がなければ危険は避けられる。例年だと「除雪費の追加予算を計上」の報道が目立つが、雪が少ないことから行政も運用し易かったのだろうか・・
 この土地に住んで10年が経つ。家前の雪は、隣接する会社の塀に寄せて置くとタイヤショベルで片付けて貰える。休日には、お返しのつもりでゲート前まで遣るようにこころ掛けた。
 ここ数年、通りすがりの人から「降りましたね」「ご苦労さま」と声が掛かり「滑りますよ」「気を付けて」といつしか挨拶を交すようになったが、昨年は手を痛めたことで息子に任せていた。1年間リハビリを重ね、指を曲げられるようになり今季から再開する。
 朝の7時前後、見知った人達と出遭い「しばらくですね」「どうしたかと思ってました」と2年振りの顔合せだ。出勤途中であるから一言二言の会話しかない。近くにある資材会社のトラックが通り掛かり、運転手が手を上げて行った。これこそ北国ならではのこと。
 雪の朝しか逢うことがなく、名前も知らない人たちが「どうしたのだろう」と思っていてくれたことで、こころが温かくなる。ただ、一昨年までいた若者やお年寄りがいない。「どうしたのだろう」「引っ越しでも」と気になった。
 年明け、雪害と本州各地の降雪がニュースになったのも記憶に新しい。そして2月末、融け始めたところが全道的な暴風雪に襲われる。交通機関は乱れに乱れ、再び雪山がそこかしこで姿を現した。
 暖冬と言っても気象の変化は否めず、やはり帳尻は合うようだ。それでも、鳥のさえずりが聞こえる3月半ばを迎えた。

◎プロフィール

〈このごろ〉20時の狸小路を歩いた。ドラッグストアの灯、灯、灯。袋を抱えた人、人、人。アーケードに響く声、声、声。ここはどこ、私は・・!?

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