
てすり・・
2021年3月15日
初めてエスカレーターに乗ったのは、子供の頃に連れて行って貰った東京のデパートだった。動く階段が面白く、何度も上ったり下ったりして叱られたことを思い出す。 今、エレベーターとエスカレーターのどちらを利用するかと言えば後者が多い。駅のホームや

あおぞら・・
2021年2月15日
晴れ間を見計らい家の前を除雪するのが日課となった。年末から比較的軽い雪で足腰への負担も少ない。だが、これから水を含んだ重たい雪に変わる。 朝方に目が覚めると先ず窓のカーテーンを開ける。そこは一面の白さで覆われているのだが、ニュースで岩見沢

キーボード・・
2021年1月25日
パソコンが壊れ修理に出したことから、原稿やラジオの構成表は手書きを余儀なくされた。ところが、いざ始めてみると、漢字はこれで良かったのか、送り仮名がはて、どうだったなどと迷うことに・・。さらに困ったことには、書く字数がはみ出してしまう。おま

キウイ・・
2020年12月21日
これまで、毎朝快調に済ませていたのが、1年ほど前のある日、お腹が張ってきた。それが1日過ぎ2日過ぎても一向に気配はなく、モンモンとした〝ふんづまり〟の状態に陥った。 人から聞いた話に、こんなときの座る姿勢は、ロダンの〝考える人〟がよいとあ

かまぼこ・・
2020年11月16日
故郷の神奈川県小田原市を代表する名産品は〝かまぼこ〟であり、生家の向いの蒲鉾工場に父が勤めていた。朝な夕な機械の喧騒を聞いて育ち、物心付いた頃から蒲鉾の味に親しんできた。 いま手元に父が遺した黒い表紙のルーズリーフがある。くすんだ茶色の紙

秋色・・
2020年10月19日
季節が移ろい暑さで休んでいた散歩を再開する。初秋の昼下がり、サイクリングロードを兼ねた遊歩道を往くと、前方からシャーっと音が聞こえ、アッと言う間に自転車と擦れ違う。後ろでヒタヒタと軽やかな足音がした瞬間、マラソン人に追い越された。春に初め

すずめ・・
2020年9月21日
この夏は、連日に亘り気温の予測図が真っ赤に塗られ、北海道も30℃を超え、蒸し暑さにも襲われた。外を歩くとマスクをしているので、顔がむず痒くなる。家の中も温度が上がり、暑さ凌ぎに玄関先から道路に水を打った。心なしかヒンヤリした空気が流れ、道

大丈夫・・
2020年8月24日
ニュースで大雨の模様を知ると、被害のみならずウイルスの中で大丈夫かなと思いを馳せる。そして旧知の人たちへのお見舞いメールに「大丈夫ですか」と書き出す。 この〝大丈夫〟は、「問題ない」とか「安心である」などの意味を含み、必要不必要、諾否など

スタコラ・・
2020年7月27日
いつも札幌駅で見掛けるのは、大きな荷物を抱えコインロッカーを探す観光客の姿だった。これが、北海道で〝緊急事態宣言〟が発表された後、デパートや地下街も臨時休業となり、駅構内の人影は疎らで、コインロッカーには赤いカギばかり目立ち、あの喧噪がウ

Baka・・
2020年6月15日
子供のころ近所には、暇を見つけては将棋や釣りなどにいそしみ、夕涼みの縁台に並べた道具自慢をしながら、ウンチクを傾ける一家言を持つオジさんたちが少なくなかった。 歴史上で織田信長や前田利家、コミックで知られる前田慶次郎などは、派手な着物で力