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エッセイSP(スペシャル)

変身・・

たかやまじゅん

2021年11月15日

 子どもの頃、テレビがあるのは町内でも商いをしている家であり、日暮れになると腕白どもが迷惑を顧みず、そこの居間に集まってくる。隣と肩が触れるのも気にせず、『これから始まる物語』を待ち焦がれていた。
 画面の中から流れてくるメロディを耳にした途端、『どこの~誰かは~』や『真っ赤な~太陽が~』と主題歌を口ずさみ、その歌詞は今も諳んじている。30分の連続番組で〝つづく〟の文字が出ると一目散に家路を目指した。
 外で遊ぶ時には、手ぬぐいのマスクに風呂敷のマントで早変わり、子供用自転車がオートバイ代りで〝月光仮面ごっこ〟に興じていた。仮面の主人公は正体を現すことがないので、縁日で買ったお面を被ると誰もがヒーローになる。
 この主人公は身近な存在だが、ひとたび何かが起きるともう一人の人物になり、解決すると直ぐ次の仕事に向かって行く。そして周りからは〝オジさん〟と呼ばれ、けっしてお兄さんとは言われない。子供にすれば、大人は遥かに上の存在であり、世の中に元気なオジさんがたくさんいて、尊敬と憧れを持っていたと言えよう。
 さて、昭和・平成・令和と変身を続けた仮面ライダーが、今年で生誕50年を迎えた。歴代の中で思い入れが深いのは、1号から始まった昭和ライダーであり、いまでもちょっとポーズを決めれば変われるような錯覚を持っている。この時の主人公は〝お兄さん〟であり、もし仮面ライダーがオジさんと呼ばれていたら・・。
 やがて、成人して会社に入り「公私のけじめをつける」ことを教えられた。タイムカードをガチャンと押せば、○○会社の何々さんであり、会社が引けて個人になるので、これも変身の一つかもしれない。いつしか時は流れ、勤めを終えた瞬間に社名や肩書のない一個人として、ただのオジさんになった。
 こうして自由な時間を過ごせる中で、様々なライフスタイルの仲間も少なくない。私は知己を得た繋がりから機会を得て本誌やラジオがある。この際にはペンネームを使っているので、私の顔を知るひとは少ない。
 これは『どこの誰かは~知らないけれど~誰もが~』と歌のように、〝三つ子の魂何とやら〟の例え通り、幼い日から憧れた変身願望にほかならず、一つ終わるともう翌月の準備に取り掛かり、これが元気の源になっている。

◎プロフィール

〈このごろ〉「南総里見八犬伝」の英語版が出た。洋書であることから、日ごろ付き合いのある書店に依頼すると、東京の店から転送して貰えた。

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