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別れぎわに

2022年8月29日

 4月に副業だった取材カメラマンの仕事を辞めた。老朽化して不便すぎる自宅の解体に向けて、片付けが急がれてきたからだった。 約7年間、ショルダーバックにカメラを入れて地元の芽室はもちろん、上士幌、幕別、帯広など愛車に乗って撮影地に向かった。コ

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体をきたえる

2022年7月25日

 町内にあった唯一の温泉銭湯に通っていた。時々、その浴室で同級生のAを見かけると声をかけていた。 ある日の夕方、脱衣室でAが着替えながら私に視線を向けると、「身長どのくらいあるの」と訊いてきた。「179センチかな」と私は応えた。私より頭ひと

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恩 師

2022年6月27日

 一年ほど前に、レンタル店で偶然手にしたDVDの「私という人間を作った、すべての愛するものたちよ」のコピーが目をひいた。ノーベル文学賞のカミュの原作「最初の人間」という自伝映画だった。 カミュの父は戦死し、母は聴覚障害で読み書きができなかっ

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仔犬がきた日

2022年5月30日

 私は犬や猫が好きだ。テレビでその類いの番組があると、できるだけ観ている。また、散歩中に犬連れの人と会うと、つい視線が犬に向いてしまう。とくに柴犬の動作やその表情が好きだ。 子どもの頃に犬好きな子は、「犬を飼いたい」と親にせがむことがあった

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失敗に学ぶ

2022年4月25日

 「失敗しなくちゃ成功はしない」とココ・シャネルはいう。 私はシャネルのように大成功した人間ではないが、仕事の失敗は成長をうながすという言葉に同感だ。 札幌時代に、ポスターの描き文字が誤字で刷り直した。社長に呼びだされて叱責された。「校正は

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話しかけた子供は

2022年3月28日

 写真を撮って文を書いている。フリーな契約で取材を始めて8年ほどになる。 思い返すとコンサートや落語、イベントなど楽しい会場に足を運んだ。聴くだけなら楽しいが、私は内容を把握して写真を撮らなくてはならない。仕事なので心底からは楽しめない。右

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取材のあとで

2022年2月28日

 取材で子供たちと会うのが楽しみだ。コロナ感染防止で顔はマスクで隠れるが、目と髪型で人物を特定する。 顔と名前を一致させるには記憶力も低下してきたが、出会った人の名前を漢字でおぼえるように心がけている。「書初め大会」の取材へ向った。公民館の

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変わる場所

2021年11月29日

 時々、ふと思うときがある。引っ越しを何度かくり返し、転職も履歴書からはみだすほど多かった。 それらの場所について、わが人生のある時期を感傷的に思いだした。最初に勤めたのが帯広の印刷会社だった。今でもその場所を車で横切ると、昔の会社の外観や

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セレーノな男

2021年11月22日

 イタリア語でSERENOという表現がある。作家の塩野七生さんがエッセイでこの言葉の表現について「静かに晴れた、澄みきった、のどかな、晴朗な」と説明している。 このセレーノという表現はなかなか深く魅力的だ。晴れ晴れした顔、セレーノな空、とも

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子どもたち

2021年10月25日

 フリーライターである私の取材対象者は、ほとんどが大人だが、時々子どもたちの取材もある。子どもといっても園児や小学生だ。そんな取材前には、気持ちがウキウキする。 子どもたちの笑顔と背景をフレーム内にうまく配置させて写真を撮りたいと考える。 

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