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エッセイSP(スペシャル)

賞 状

吉田 政勝

2022年12月26日

 今年の重大ニュースが取り上げられる暮れである。国内では7月の参院選の演説中に安倍元総理が銃撃され亡くなったのは衝撃だった。Y容疑者の銃撃動機が報じられた。旧統一教会にYの母親が信者として高額献金をしていた後、Y家が経済崩壊した。その宗教団体を安倍元総理が応援していたからとYは私怨を募らせた。
 最近、宗教2世の苦しみを描いた
「神様のいる家で育ちました」を読んだ。私の家庭に神様はいなかったが、貧乏神にとりつかれていた。依存する神はいないが、単なる紙の「賞状」を神々しく感じていた。
 最初にもらった賞状が夏休み作品展の風景画で、小学5年生の時だった。次に「働く年少者」として新聞配達を中学の3年間つづけて町から表彰された。選ばれたという優越感を覚えた。
 社会に出ると働きながら通信教育でデザインを学んだ。その通信教育が主催するコンテストなどに応募して入選や入賞を果たした。賞状のみならず、盾や記念メダルなども増えた。
 私は結婚を機に、母屋の西側に増築した家に転居した。賞状や学校時代の思い出の物を目にすることがなかったので処分したものだと思っていた。夏から古い家の解体に向けて断捨離を続けた。11月に屋根裏に古い本やレコードがあった。それらの中から賞状なども出てきた。
 私の目をひいたのは、約55年前に講談社が米国の通信教育の事業を始めたKFSの修了証だった。実に7年がかりで24課題を終えた認定書だ。そのKFS主催のコンテストに応募していた。上位入賞を目指したが叶わなかった。464作応募の12人の入選と知る。実に狭き門だったのだ。向上心という自惚れは不遜な自信をも抱く。
 賞状などとともに高校時代の作文もでてきた。現代国語K先生の「文を書くことを必然的に続けて下さい」と記されてあった。やがて私は「エッセー教室」に通い、新聞投稿などの機会を増やしていった。
 その賞状や作文は、若き日の苦闘史としてタブレットで撮って記録した。

◎プロフィール

●心況(よしだまさかつ)
 商業デザイン、コピーライター、取材カメラマン、派遣業務などを遍歴。趣味は読書と映画鑑賞。「モレウ書房」代表。

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