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エッセイSP(スペシャル)

16年前の「あのこと」

吉田 政勝

2023年7月24日

 過ぎ去った過去など、思い煩っても今さら意味がないが、それでも何かの折に口惜しく思い出す。
 それは2007年だった。
 自営を支える主な仕事を私は前年から次々と失った。デフレ経済で、北海道は景気が上向かない、と銀行筋が嘆いていた。私が請けていた某新聞の販売店のミニコミ紙が廃刊になり、S町中学校のPTA 広報紙は、地元印刷所に発注と決まり私との契約が切れた。その印刷所は町議員を巻き込んでの仕事獲得との噂を耳にした。
 私はわが町の観光協会の理事になり、地元業者としてイベントのポスターの制作を約12 年間にわたり継続してきたが、帯広の業者が見積りを半値に下げて、コンペに参加するようになった。私の仕事ぶりを評価し、記念誌や観光ガイドブックなどを任せてくれた観光協会岡本晴樹会長が病気治療のために会長を退任した。S新会長の新体制下、私との随意契約のならいが怪しくなり、むしろ私は排除の対象になってきたと気づいた。
 翌年の夏、イベントのポスターをコンペで決めることになり、業者の1人としてデザイン案を提出したが、某印刷会社の案に決まった。その後、街でそのコンペの採用作のポスターが貼ってあった。何気なく見て、驚いた。私の撮った写真が配置されていた。
 S会長に会いにゆき「盗作コンペは無効です!」とポスターの刷り直しを求め、私は憤然と帰ってきた。
 その後、何も対処されず陳謝さえなかった。役場職員と部会が関与した「審査の変な経緯」も伝わってきて、私はその疑惑コンペを払拭できなかった。
 私はただちに観光協会S会長に理事の辞表を提出した。不正や不適切な事態に対応できない人々とは仕事ができない、そう思いまちづくり活動から身を引いたのだった。
 その夏から私は派遣会社と契約して働きに出た。デザイン制作の現場から離れる転機になった。

◎プロフィール

心況(よしだまさかつ)
化学療法治療の副作用で「味覚障害」になり食欲が低下した。グルメではないが、食べることは生き甲斐、元気の源と痛感。

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