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エッセイSP(スペシャル)

執筆することの戦い

梅津 邦博

2023年3月13日

 生きていることによってさまざまなことがあるわけで、物書きとしてその何事かについての事を書くのだが、文才がないから上手くいかないことがあって大変なのだ。普通にちゃんと書けばいいようだが、そういうわけにはいかない。
 人と話をするとか思い付いたことを書くとかなど誰でも多少のことはあるが、しかしひとたび作品として取り掛かってゆくということになれば、そうはいかないし尋常なことではない。自ら言葉と文字を駆使して執筆するわけで、難しいことなのだった。第一どんな方の眼に入るか分からないし、ましてやどう思われるかとも思う。従って例え400字のコラムにしても気は抜けないことになり、全力で取り掛からないといけない。妥協はできないし推敲を繰り返してゆかなくてはならず、その結果として上手くいっていないということもある。
 発行媒体は当然のこと締切厳守であって、天変地異とか何とかなどではない限り遅れるなどということがあってはならない。...なのだがやはり執筆というもの一筋縄ではいかないところがあって苦労する。依頼原稿である以上担当者がいて、遅れれば催促の電話が掛かって来ることになる。そうなるとまずいなと思い、なんとかしなくてはと内心慌てふためくのだった。きっちりと編集長から電話が掛かってきて、低く太い声がか弱いぼくの耳に響いてくる。
 「毎回言っているんだが、どういうことなの...」
 緊張ゆえにぼくの耳がだんだんとか弱く遠くなってオロオロしてくる。
 「え、えぇ...いや...あの、今まもなく上がるようにしているんで...」
 「何度同じことを言わせるの...」
 「いや、スンマセン...」
 喉元と掌に冷や汗がジリッと浮いてくるではないか。
 暢気になどやっているわけではない。実は、もっとなんとかならないだろうか、もう少し違う書き方があるはずだが、と思いながら懸命に戦っているからなのだ。ともかくどうあれ如何にして書くかが大事と思う。よく手堅くまとめて発表しているものを見かけるが、恥ずかしい。それなら書かない方がいいのではないか。書くということはそういうことではないのだ。読者を甘く見てはいけない。

 作家に原稿依頼をしたがなかなか上がってこない。編集側はよくあることとわかっているだけに最後まで対応しながら付き合うわけである。極め付けはそのウルトラCがホテルの部屋など取ってカンヅメにして書かせるのである。そうなったら恐ろしい。早い話が印刷直前までに原稿を仕上げなくてはならない。  ちっちゃな売れない物書きのぼくは、雑然とした6畳間で書きながら、上手くいっていないとハラハラして極度に緊張し、
 「あわわわっ...」
 といいながら烈しく格闘しているのだった。

◎プロフィール

帯広市出身。自営業。文筆家。趣味/映画・街歩き・旅・自然光景鑑賞。著書 銀鈴叢書『札内川の魚人』(銀の鈴社)。銀鈴叢書『歩いてゆく』(銀の鈴社)。

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