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エッセイSP(スペシャル)

モデルナ一回目

冴木 あさみ

2021年8月 2日

 やっと私の番が回ってきた。コロナワクチン接種。
 福祉系従事者の優先接種枠を利用して、腰を低くして第一回目の接種を受けさせてもらった。かかりつけ医のない私は、札幌市に設置された大規模接種会場に行く。大規模という名称に混沌としたイメージを抱いたが、ストレスを感じる暇もないほどスムーズな流れで、順調に終了した。夜間対応会場だったので、仕事が終わった後の時間帯で人も少なかったせいかもしれない。
 最寄りの地下鉄駅から会場まで一キロあまり。無料の乗り合いタクシーを用意してあるとのことだったが、見知らぬ者とタクシーで密になるのは嫌なので徒歩で移動する予定だった。が、駅出口にはタクシー乗り場への案内係が立っていて、優柔不断な私は徒歩の決意はどこへやら、フラフラと案内に沿ってタクシー乗り場へと誘導されていった。なにせ仕事の後だし、猛暑が続きくたくただった。優柔不断でよかったと思ったのは、想像していた小型タクシーではなく、大型ワゴン車がずらりと並んでいるのを目にした時だ。乗り場のスタッフは、一つの車に三人だけ乗せるとドアを閉めた。十分な空間が保てる車内は冷房が効いて、まさに極楽。
 広い会場には多くのスタッフがいて、動線も計算され、ベルトコンベアーに乗せられたかのごとく着々と注射器の場所まで導いてくれる。至れり尽くせりのサービスは、入り口に設置された無料の水のペットボトルにまで及ぶ。これ暑さ対策だろうか。冷えた北海道の天然水は、前日の生ビールより数段ありがたく美味しかった。
 接種は一瞬で、やはりインフルエンザワクチン程痛い注射はないことを確認。入場から三十分後、出口に横付けされていたワゴン車の一台に乗り込み駅へと向かう。乗客は私一人。ビニールシートで仕切られた運転手は、駅と接種会場を何往復もして市民を送迎しているというのに、まだ自身のワクチン接種ができていないとのこと。矛盾していることに軽く怒りを感じたが、私が怒ったところで世の中何が変わろう。冷房口に頭を近付けた。あれもこれも全て税金で賄われていると噛みしめながら。
 ワクチン接種が始まり数か月。スタート時のドタバタの渦中にいた方々はどれだけ苦労しただろう。何事も初めての場合は混乱や不手際が生じやすい。それはしょうがないことだ。様々な経験を積んで物事は改善されていく。現場は改善されていくが、日本を動かす中枢は改善の余地があるのだろうか。国が本来果たすべき役割は国民の命と財産を守ること。遠い昔、確かそう学んだ気がする。

◎プロフィール

金と権力としがらみにまみれた人間は、コロナウイルスよりも危険で厄介な禍だ。

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