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エッセイSP(スペシャル)

ゆるむ・・

たかやまじゅん

2021年6月21日

 毎年訪れている東京や京都では、博物館や美術館で開催される特別展と歌舞伎やコンサートにも足を運んでいた。これが中止や延期されたことで、必然的に飛行機に乗らなくなり、かれこれ1年半が過ぎようとする。最近はテレビの映像などで、空港のロビーや搭乗案内アナウンスを見聞きすると妙に懐かしさが湧いてくるのだった。
 そして〝行きたい〟との思いが強くなるとこれがストレスになり、その解消法の一つとして、図録や公式ガイドブックでのスティミュージアムをしている。いまだ収束が見えないウイルスの中で、ネット配信サービスも開設され、美術館などの無料オンライン講座は嬉しいものだ。
 有料では歌舞伎オンデマンド配信を始め、京都の街歩き講座のオンラインガイドがある。このガイドとは、神社仏閣の通常非公開とされる内部を案内する企画で、例えば平安神宮の楼門や収蔵庫などを神職が紹介、二条城では著名な城郭研究家が解説する内容になっていた。テレビの紀行や歴史番組と違ってCMがなく、所定の時間までたっぷり紹介してくれる。止むを得ず当日に参加出来ない場合は、一定期間内の見逃し配信があり、いつでも観ることが可能なのだ。そして入ったことのない内部を見ていると自然に頬がゆるみひとりごちた。
 こうして家に居る時間が多くなり、以前に増して本に接する。読み進むうち覚えのある地名や事柄が出てきた瞬間、記憶していた光景が頭に浮かぶ。さらには、DVDで観る映画の一場面、CDで聴くメロディなどに浸り、極上の在宅生活となった。
 この世で初めて泣いたのが産声であり、やがて生きる中で喜びや悲しみを味わい、時には痛みや悔しさ、そして嬉しさに涙した。悲しい時に泣くと気分がスッキリするのはストレス発散になり、痛みで泣くことや嬉しくて泣くのは、顔の筋肉が涙腺を圧迫して涙を押し出すと何かに書いてあった。つまり泣きたいときには泣くのがいいそうだ。
 朝のテレビドラマの場面で、芝居茶屋の亭主が主人公と再会して大泣き、その時の台詞は「この年になると、ちょっとしたことが嬉しく、涙が出る」と言っていた。年長者から、歳を取ると涙腺がゆるくなるとよく聞かされた。自分も年齢を重ねたことで、そうなのかと納得しつつ、やはり涙腺がゆるむのは嬉しいことや美しいものに接したときが一番と言える。

◎プロフィール

〈このごろ〉北海道でもシトシト降る雨にムシムシさを感じる。真夏日も多くなった。夏の予報では曇りと雨も多く、気温も高いそうな・・

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