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エッセイSP(スペシャル)

友よ・・

たかやまじゅん

2019年11月18日

 チケットの購入がWebでの抽選方式となり、人気の公演は即日完売が多い。「レ・ミゼラブル」も抽選に漏れたが、追加公演で素晴らしいステージを堪能する。先ごろの立川談春独演会でも、追加公演をかろうじてゲットした。
 昭和40年、小田原で5本の指に数えられた蒲鉾造り職人だった父の葬儀には、「一緒に修行した」「仕事を教えられた」と駆け付ける人が少なくなかった。子供の頃、父に連れられて行った先や、いつも家に来ていた人たちの顔ぶれは、その交友の広さを物語り、父の口ぐせは「友達を持て・・」であった。
 近ごろ、人との繋がりを〝〇友〟と称するそうな。社友は字の通りだが、私には趣味の映画を通じた映友、音楽での音友、他に歌舞友・城友・舟友などの交流があった。中でも、一つ年上で落語好きの〝スーさん〟は、ポピュラーや映画音楽のレコードとCDの保有数が並大抵ではなく、分けて貰った音源は数限りない。もう一つ、音響機材の操作に長じていることから、私が音楽を伴うトークショーをする際は、必ず音出しで傍に付いてくれた。だが、昨年体調を崩し一旦は回復したものの、惜しくもこの夏・・
 さて件の談春独演会は、三遊亭圓朝作とされ、かつて三遊亭圓生(6代目)や林家正蔵(8代目)の名演が光り、古典でもめったに聞けない大ネタ「双蝶々」が前半に掛かった。悪事を働く主人公の長吉が、病に伏した父長兵衛の言葉を思い出し捕らえられるまでを、談春が35周年の節目としてたっぷりと演じる。
 まるで芝居がかりような熱演に、客席から身を乗り出す姿も見受けられ、高座で頭を下げる彼の着物の脇下は汗で滲んでいた。中入り後の「大工調べ」で笑いを醸し出す頃、ふとどこかでスーさんが笑ったような気配を覚えるのだった。
 いまは直近で観たものを綴り、聴いたことを喋っている。蒐めてきたものを披露する機会を得て交友が深まった。先日、「あなたと盟友で良かった」とのメールが届く。彼は私の書いたものに辛口のアドバイスを送ってくれ、その付き合いは30年に及ぶ。親友や朋友など呼び方は様々あるが〝盟友〟と言われたのは初めてで、何とも嬉しい言葉が心に染みる。
 そんなことでスーさん、まだそちらには行けそうもない。何れこの路が終わるとき酒でも酌みながら、あの日のように語り明かそう・・

◎プロフィール

〈このごろ〉伊藤若冲や江戸絵画などプライスコレクションの一部が、出光美術館に収まった。来年秋には、里帰りの展示が東京で開催される。

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