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エッセイSP(スペシャル)

ま、少しでも清く正しく

梅津 邦博

2016年3月14日

 蒲団をかぶって寝ようとする時や目覚めた時、顔の辺りに不快感があって、いくぶん大きく呼吸をするとざらついた空気が口中粘膜をさらに不快にさせる。つまりしばらく掃除をしていないからホコリっぽいということなのだ。科学的なことは知らないが、いったいホコリというものは何か役に立っているところもあるのかな。
 要は掃除というものは毎日するのがホントなのだが、一度するとほったらかしにするからいけない。三日に一回はするといいのだが、と書くとうちは常に汚くしていると思われるかもしれないが、そんなんでもない。わりと整理整頓してきれいにしているほうだろうと思ってはいるのだ。
 しかし時折よく見ると、窓辺の縁や畳の隅あるいは床表面に細かい綿みたいなのが微かに薄く形成されていて、なんだか顕微鏡写真に写っている何かの病原菌みたいに見えるではないか。空気中に漂っているホコリが時間をかけてゆっくりと着地して塵になっているそのさまは、かわいくもあるが、おぞましさもある。それらの塵は自分の身から出たさびにも見える。
 「思い描いていたことは実現する」「万物は波動なり」「悪想念は物質化する」などとされているが、それは本当なのだ。不平不満批判悪口などいつも言いつづけている者は、体内で不純なものが濁毒に変化し、たとえば後頭部などに徐々に固まって血の循環が滞っていつかは命取りになるとか聞いたことがある。
 世の中には偏屈変人もいる。人間的魅力からくるものならいいのだが、人間性に問題があるとしょうもない。精神が変だなどという場合、環境問題からきていないかとも思うのだ。
 ああ、イヤだ…ぼくはできるだけ清く正しくありたいと思っているのだ(いやそれはウソかもしれないが)。せいじんくんしではありませんが、人としての想念をすこしでもいい方向へと正しくしたい。そんなわけで最初に、部屋など整理整頓し清潔にしているかどうかからはじめる。掃除機をかける。畳の藺草が織り込まれているギザギザの表面は、心の襞みたいではないか。そこに満ちているかも知れない不純な見えざるホコリなどを掻き吸い取ってゆく。やがて部屋も空気もきれいになってきたのではないか。眠気や疲れが薄れてスッキリしてきた気がする。うむ、なんとかちょっとはマトモなニンゲンになってきたのかな…。
 あの、もし街で清く礼儀正しいひとを見かけたらそれはぼくですけど、だからって声をかけないでくださいね。街にいても、心の修行をしている最中ですから。
 さてどうしようか。肉体の方も鍛えることをしなくてはならない。何かスポーツを。この齢になって格闘技、サッカー、ロッククライミング、パラシュート降下、だとかなどをするわけがない。かよわいぼくにはウォーキングがいちばんなのです。スタートしなくてはと考えているところです。

◎プロフィール

帯広市出身。自営業。文筆家。
著書 銀鈴叢書『札内川の魚人』(銀の鈴社)
銀鈴叢書『歩いてゆく』(銀の鈴社)

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