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エッセイSP(スペシャル)

一枚から・・

たかやまじゅん

2015年12月21日

 オークションで入手したレコードの「南総里見八犬伝音頭」を聴く。ジャケットには、頬杖を突いたやさしい面立ちの少年。唄っている松永有生(ゆうき)君の透き通ったボーイソプラノのような声に、一瞬女の子かと聞き間違える。昭和57(1982)年の発売で、館山市観光協会推薦と冠されていた。
 作られた謂れは何だろうと私の好奇心が湧き、CDにして知己を得た館山の人たちに送ると、先ず館山市立博物館の岡田晃司氏から「1982年は天守閣が再建された年で関連があるのかも」と電話があった。数日後、街づくり活動をしている辰野方哉氏から「ご両親に話をしたので連絡を・・」との朗報が届く。
 電話口に出られたお母さんから「懐かしい~33年前のことです」とよもやま話になった。当時、天守閣が完成の記念曲を作ろうと詞が公募され、作曲はビクターや東芝レーベルなどで歌を手掛け、館山で歌謡指導をしている鷹雄城氏に決まり、そこで習っていた小学6年生の有生君に白羽の矢が立ったとのこと。観光協会役員の幸田右子さんも「歌が上手で街中の評判だった」と語っていた。
 お母さんから「鷹雄先生は亡くなられましたが、奥さまはご健在です」とタカオ歌謡学院を紹介され、早速電話をすると「私もそのレコード作りに携わってます」と鷹雄良子さんから作詞・作曲の裏話を交え、B面の「青い海と花の街」についても貴重な話を伺う。
 さらに挿入の紙面に記された振付の五條明実について尋ねると「あれはレコード会社が頼んだもの」と返ってきた。図解通り踊ってみてしっくりいかず「日舞の西崎紫織お師匠さんにアレンジをお願いし、盆踊りで披露しました」と言われる。西崎・・!?と思っていると耳にしたのが「今は里見流の家元を名乗られてますよ」・・その途端に「ええ~!!」と声を上げてしまった。
 半月ほど前、里見氏の末裔にあたる日舞の里見香華さんと話したばかりである。翌日、家元に電話でこの経緯を話すと「よく掘り出してくれましたね。もう一度踊りたいです」との言葉が、心に沁みた。
 一枚のレコードが、館山の人達と私を一段と深い繋がりへ紡ぎ、30数年の時を経て街に流れるとしたら嬉しい。因みに現在の有生君は、東京の病院で小児科医として活躍され、先年は「のど自慢大会」の地区予選で、チャンピオンになったそうな。

◎プロフィール

〈このごろ〉宗達・光琳・抱一の「風神雷神図屏風」を京都国立博物館で観た帰り、折から風雨に煽られた。まさか、上空に風神雷神が・・

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