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エッセイSP(スペシャル)

錯覚・・

たかやまじゅん

2015年9月28日

 京都駅から山陰本線の快速で10分余、嵯峨嵐山駅に着き案内板に従い15分ほど歩いた。そこが平安時代の嵯峨天皇の離宮で、門跡寺院の格式を持つ空海ゆかりの大覚寺。
 門前で若い僧侶から「おはようございます」と挨拶され、境内そこかしこにその姿を見掛ける。暫くして、高僧らしき人達と礼服の一行が廊下を渡ってきた。
 何かあるのだろうか・・と思いつつ、誘導していた人に訊いてみる。5月に遷化された六十世門跡の追悼法会が、各寺院や檀信徒と大覚寺の合同であるそうな。身近なお寺で言えば前住職の法要にあたる。こんな機会はめったになく、暫し足を止めた。
 隣接する大沢池は、一周するうち気分は時代劇の主人公になってしまう。何故なら、上野の不忍池として水戸黄門が旅立ち、銭形平次が駆け抜け、遠山の金さんが桜吹雪を見せる映画のロケ地で、京都が江戸と錯覚・・!?この気持ちは、時代劇好きの日本人にしか解らない。
 四泊した京都市内のホテルは、町並や山々を展望できる最上階の大浴場が愉しみで、初日の夜は一人で浸かっていた。扉が開いて入ってきた4人の若者の手にはバスタオル。「おいおいタオルはどうしたんだよ」と問いかけようにも相手は外国人であった。
 思わず口にした〝a bath towel is locker・・〟。幸い日本語を覚えたと言う若者がいてくれたことで、4人を前にタオルとバスタオルの使い分けなど、身振り手振りよろしくレクチャーが始まる。
 ドイツから来た学生のツアーだそうな。翌日の朝食会場は、さながら異国にきたような錯覚に陥る。バイキングを取りに行くと、昨夜の4人組が手をあげていた。
 その夜のお風呂場には、ロッカーにバスタオルを置き、タオルを持った彼らの笑顔があり、「キヨミズ、ヤサカ・・」とお湯の中で京都談義に華が咲く。そのうち一人が、顔が熱いと云うことを訴えた。
 長湯にのぼせたようで、洗い場の水を足元に掛けてあげると直ぐに治まり、「おお~」と皆が手を叩く。タオルで背中を洗い出すと4人が真似をし始め、微笑んでいる。
 彼らに日本のお風呂の入り方が伝わって、国際親善の架け橋になったかな・・などと独りごちしてみた。

◎プロフィール

〈このごろ〉最新のミニチュアとCGアニメの〝Thunderbirds Are Go〟が愉しみだ。50年前の映像と比べ、時の移ろいを痛感する。

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