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エッセイSP(スペシャル)

精神不衛生な夏だった

梅津 邦博

2015年9月14日

 仕事が低調な状態に何とかしなくては自分の存在そのものがなくなってしまうということに激しい不安と葛藤を描いていた。そうして数年前、新しく販路拡大を図るべく何度目かの再スタートを切った。大変な思いに晒されている日々のなか、三カ月、半年、とつづけているうちに少しずつ芽が出て来はじめてきた。それでもいつまた下がってくるかはわからないのだった。
 仕事でいろんな方にお会いしている。営業しているわけで、実績を上げなくてはならない。人に会うといっても、職業、立場、状況等、どれひとつとっても大変である。
 役所や団体など大きな職場へ行くとさまざまな立場の方々がいる。多くの方に会うわけでそれだけで負荷がかかる。生半可や理屈や気難しさなどがあれば出来ない仕事なのだ。実績を上げられないなら、仕事なんていうレベルではないし商売などではないということになってしまう。仕事のストレスはそれなりに付きものなのかもしれない。
 体調があまり良くなかった。夜半に尿意で目覚めてしまい、しかも下腹部に軽い鈍痛があって、もしかして大変なことになっているのかと気にしつづけていた。大の病院嫌いなのだが、帯広市内の病院ガイドブックを見ているうちにほっとけなくなり、7月のある日、思い切って行ってきた。血液検査や超音波検査を受けた後、ドクターの説明では、「ゼンリツセンの症状で加齢とともになる人が多いんですよ。ま、初期の段階ですね。お腹の痛みはそれの炎症によるもので、抗生物質など服用することで良くなりますよ」フラフラと参っていたぼくは、徐々に力が抜けて軽くなっていった。

 しかしなんといっても人間関係に疲れ果てていた。いろんな人間がいる。常識がない。礼儀作法がない。またある者の言動を見聞していると、思考もないほどの浅さがある。またある者は酒の力で不満や批判ばかり言いつづけることに、不快この上ない。そんな話を人生の達人でもある友人にしたら、「なんでそんな人間と付き合ってるんですか」と言われてしまったが。
 人は人、自分は自分という認識でいればいいのに、そうはなれない未熟なところもあってクタクタになる。ときおり鏡をのそくと、尋常ではない顔をしているなということがわかる。けっきょくストレスというものは自らの我儘や弱さから発しているのだ、なんとか変えなくてはと戦いつづけている。

 夏なのに帯広十勝は、7月、8月と曇りの日もかなりあった。気温も10度台というのもあった。ぼくは天気が良くないと気分がすぐれない。したがって本来の夏を生きていない。残念だが、夏は終わった。もう秋であり、やがて冬を迎え、また春が来てそれからゆっくりと夏へと歩いてゆくのだ。来夏に向けて切り替えたい。

◎プロフィール

帯広市出身。自営業。文筆家。
著書 銀鈴叢書『札内川の魚人』(銀の鈴社)
銀鈴叢書『歩いてゆく』(銀の鈴社)
喜久屋書店/ザ・本屋さんにて発売中です。

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