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エッセイSP(スペシャル)

仕事メモ帳

吉田 政勝

2012年9月 3日

 自分のブログを遊び半分で作ってみた。Web教室へ通っていたのが昨年の夏だった。学んだことがどれだけ覚えているのか心許なかったが、HTML記述の本を開き、自分のメモ帳も久しぶりに開きながら作成してみた。すると画面に反映されない部分があった。テキストをよく見ると、記号がちがっていた。:が;になっていたのだ。デジタル指示にあいまいは通用しないと痛感した。
 その数日後に、知り合いの男から電話があり、インターネットやりたいんだがどうすればいいのか教えてくれないか、という依頼だった。彼はネットを検索しメールで文章を送信したいらしい。私は新しい職場で不規則なシフトで仕事していることもあって、気持ちの余裕もないので彼の個人教授役を断わった。彼は冷たいなあ、とつぶやいて電話を切った。
 新しい分野について学ぶには簡単に付け焼き刃的には身につかない。インターネットの仕組程度は、契約するプロバイダーの担当者が教えてくれるが、閲覧するプラウザを見るためにはソフトウェアも理解しなければならない。それにはその本のマニュアルを読むのがてっとり早い。バージョンが変ると別のソフトに思えることすらある。だから古いソフトに馴染んだ私の頭では指南役にはふさわしくないとも思えた。とにかく新しいバージョンのマニュアル本を攻略せよ、と私は勧める立場だ。それ以前に基本が大事だ。ベーシックな知識があってパソコンを使いこなせる。カタカナ用語もやたらと多い。意味を理解しないと一歩も前へ進まない。
 昨年、Web教室に3ケ月ほど通ったとき、授業中に講師のY先生が言っていた意見が印象的だった。「夫婦や友だち同士でパソコンを教えるのは良くない。ともすれば喧嘩になるから」と言った。思い当たることがあって納得した。妻に文章打ちを頼んだときに、何かのトラブルがあって数時間後に閉じてしまった。保存したのか?と私が訊いたら、保存ってなに、と妻は答えた。途端にお互いが不機嫌顔になった。
 パソコンに馴れた熟練者が初心者に教える場合、そのギャップが亀裂をうむのかもしれない。だからこそ安易に周りに頼らないで初心者は基礎コースからパソコン教室に通うのを勧める。
 私がパソコンを始めたのは二十年ほど前だ。分厚いマニュアル本を開き、ソフトの使い方を覚えていった。バージョンアップのたびに操作の手順や裏ワザをノートに書くのを習慣としてきた。
 以前の職場で仕事の手順を教えていたが、ある男は、はい、なるほど、と返事はよいが仕事を理解していなかった。もう一人の女性は仕事の覚えがよかった。 
ある日、彼女の机の上に「仕事メモ帳」が置いてあった。仕事の遂行能力の違いがそこにあると思った。

◎プロフィール

 職場が変わった私は手帳に仕事メモをつけている。まわりの職員はそれを「黒皮の手帳」と呼んでいる。

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