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はるかなる萩野(後編)

2013年6月10日

     いくつかの用事が終わり、翌日、集落を散策に出かけた。    歩きながらかつて少年時代の父は、この道を歩いていただろう、この樹に触れていたのかも、などと眼で、手で、どこか匂いを捜しながら思い

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はるかなる萩野(前編)

2013年6月 3日

 亡き父の郷里である山形県白鷹町の山村へ、母と二人で、寝台列車と東北新幹線とさらに高速バスに乗り換えて行ってきた。御先祖のお参りと親族への挨拶をしたかった。長いこと訪れていなかったが、帯広に住むぼくにとっては父からつながる根のふるさとで

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ふたたび歩き出す

2013年5月13日

       十五年ほど前のことだった。「プラスワン」にいろんなつたない話を書いていたが、いつしか書くことが大変になってきた。もうこれ以上やっても無理だし迷惑をかけるだけだからと思っているうちに、何を

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久し振りのカツ丼

2013年4月 8日

 早春の突き抜けるような青空の昼、「カツ丼」が食べたくなって出かけた。  カツ丼。なんという力強さと旨さが漲る響きであることか。夢と希望の世界が感じられ、どんぶり物のなかでなんと言われようと「天下のカツ丼」なのである。食べに行くときは

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アンタ...だ

2013年4月 1日

 午前五時前。アチッ…と眼が覚め、ア、やってしまったな、と思った。湯タンポの上に片足を乗せたままになっていたようで、蒲団のなかで膝を引き上げてちょっと手で触れてみたら、濡れたものがあった。水脹れになっていたのが破れたらしい

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桃源郷のバーバー

2013年3月11日

 髪が伸びてきてだらしない感じになると、わさわさと落ち着かなくなる。それは家の中や周囲をゴミなどで散らかしているのと気分的に同じでもある。従ってバーバーへ向かった。  小柄でのっそりと少し左右に揺れるようにしてマスターが現れ、「どうぞ

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誤解

2013年2月11日

 人は言語と感情と行動があることによってさまざまな陰陽が生じてゆく。当然のこと、何かにつけて他人についていろいろと考えたり喋ったりする。その何気ない言動に、不平、不満、批判、猜疑などが見え隠れし、勝手な思い込みによって誤解が生じている場

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極寒のある朝

2013年2月 4日

 一年前、外科病棟に入院して手術を受けた。そして退院となった。早春が近いその日は朝から落ち着かず、もうあと三日くらいはここにいるべきではないかな、などと思った。身内が車で迎えに来て、家へ向かった。快晴で空間は水色に輝いているなか、車窓か

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船のピアニスト

2013年1月14日

 十二月、名古屋で用があって苫小牧からフェリーで往復した。一万五千トンの純白の船体にブルーラインが一周して描かれた「いしかり」は、夕焼けの天空に浮かび上がった黒いシルエットの伊勢湾岸自動車道を背景に滑り出した。ゆったりと湾内を進み、太平

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どんよりとした曇り空の下で

2012年12月10日

 器用さがなく生き方が下手なせいからか、気候に左右されることが多い気がしてなんだか原始的というか動物的な気もするのだが。そもそも人間というものはその生存している環境の影響を常に受けているわけで、そこを正しい思念で現実に対応することがまっ

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