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エッセイSP(スペシャル)

座りすぎ

吉田 政勝

2023年12月25日

 何げなく手にした本で、意識が変わるきっかけになることがある。最近読んだ「長生きしたければ座りすぎをやめなさい」という本がそうだった。
 座ったままでの長時間のデスクワークは多くの病い(脳梗塞、がん、糖尿病、高血圧、うつ病、認知症など)を誘発すると問題視されるようになった。特に日本人は世界でいちばん長く座っている国民だといわれている。
 ある調査によると、日本人の座る時間の平均は1日8〜9時間近いという。この歩かない生活が致命的な運動不足を招き血流を悪化させ、あらゆる病を呼び寄せてしまうらしい。
 米国シリコンバレーのIT企業では立ってパソコンに向かう光景が増えている。オーストラリアは国をあげて〝座りすぎ〟の健康リスク問題に取組み、国民に注意喚起をうながしている。12月17日の北海道新聞には、座りすぎで乳がん増(京都府医大調査)の記事が載っていた。
 私は血液のがんになり、春から夏にかけて化学治療を受けていた。確かに私は広告デザイナー(兼ライター)として、パソコンを操作して椅子に座る時間が長かった。締切に追われる多忙な仕事なので、歩くよりも車を利用することが多かった。機械化の便利生活は体を動かす行為を無駄として考えがちだったのかもしれない。
 抗がん剤治療の入院生活と、副作用などで体力が低下した後で、この本を読んだ私は座り方の見直しを始めた。パソコンの前やテレビの前で座りつづけたら、立ち上がって一定時間足踏みをする。少しでも歩くためにトイレタイムや水分補給も意識する。外出時には、エレベータを使わず階段を利用する。パークゴルフ日和には一人で近くのコースをまわる。
 自室では、朝晩チューブを使って腕や脚のトレーニングをする。今では二の腕に筋肉がつき、脚力に強さを感じるようになった。15キロ痩せた体重が8キロ戻り、食欲も出てきたのは何よりの喜びだ。
 当たり前の健康生活。病を得て、あらためて基本というものを考えた。

◎プロフィール

〈心況〉人生の折々に恩人や畏友に手紙を書いてきた。本と恩人が私を導いてくれた。感謝の思いである。

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