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エッセイSP(スペシャル)

キャッシュレス時代へ

冴木 あさみ

2018年8月 6日

 職場のスタッフの一人が「私は少額でもカードで払っているの。現金はあまり持ち歩かない。ポイントも溜まるしすごく便利」と言っていた。私より十も年上だけれど、時代に乗って若いのよと暗に自慢する人だ(ヘッ)。
 北欧スウェーデンはキャッシュレス最先端国として有名だ。現金使用率はたった2%。日常生活でほとんど現金に触れていない。小学校から一人一台以上のパソコンを使用できるIT早期教育を行っているのは以前から注目されていたが、税金・物価が高い福祉先進国のイメージが強い国が一体いつの間に? しかも高齢者もつつがなくキャッシュレスに順応しているのだから、これぞ福祉大国と称賛に値する。
 キャッシュレスのメリットは大きい。現金が存在しないので、数える手間もいらない。釣銭が無くて困ることもない。ピッの一瞬だからスーパーのレジもスムーズに。いや、カード支払いの客に限ってもたもたしている場面を目にするが、ここは一応利点に加えておこう。現金強盗が無くなる。スリの被害も減少する。ズリ下げたパンツの尻のポケットから長財布をはみ出して歩く姿も街から消える。いいことづくめではないか?
 日本がキャッシュレスに踏み込めない理由とは何か。金融機関が日本中に配備したATM。その手数料の収益が莫大であることがブレーキをかけている一因らしい。
 一方お金=数字という感覚に陥ることへの危惧もなくはない。スウェーデンでは「孫にお小遣いを上げる時もスマホでピッと数字を移動させるだけなのでかえって便利」とNHKの番組で紹介されていた。ポチ袋、ご祝儀袋、お香典。日本の伝統的な風習は消滅するのか。現金でもデジタルの数字でもお金の価値は同じ。要はメンタルな部分が大きい。一万円札を崩すとあっという間になくなるから大事に使おうと思う気持ち。小銭が貯まったから寄付してみようという発想。視覚と重みで感じとれるお金の価値は数字の動きだけでは得られない気がする。大学生の子供に現金書留で生活費を送ってみればいい。半期ごとに支払う学費も現金手渡しにし、自分で納付させてみればいい。親がどれ程の大金を払ってくれているのか視覚と触感で知ることが出来る。手にした札の厚みは生涯深く心に刻み込まれるだろう。
 悪事でなければどんな方法で収入を得ても構わない。パソコンの前に座ったままで稼ぐ人も宝くじで成金になった人も、運と勘でその人が得た正当な資産だ。肉体労働で得るお金の方が偉いとは思っていない。しかし、人間たるもの、お金とは何かをしっかりと身に着けなければ国をも滅ぼしかねないと思っている。
 中国やインドもキャッシュレス社会が急速に進んでいるとのこと。さあ、どうする?日本。

◎プロフィール

猛暑・豪雨・台風。今年も災害が多くニュースを見るのが辛い。平穏な日々に感謝。

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