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エッセイSP(スペシャル)

ドキっ・・

たかやまじゅん

2017年9月18日

 誕生月に併せ総合病院の検査センターで半日ドックを受けている。この時期は事業所の集団検診が目立ち、早く済ませようと一番乗りして挑んだ。色分けされたバインダーを持った検査着の人たちに「次は〇番の前でお待ち下さい」と係員の誘導が始まった。まるで仕分け作業場のような見事な捌き方にいつもながら感心する。
 順調に進み最後の眼底検査が回ってきた。検査機を覗き目の前がピカッと目映く光ると女性スタッフが「すいません。もう一回撮ります」と暗闇に声がした。二回目が終わりプリントを手にした彼女は首を傾げている。写っている右側が白っぽいようにも見えた。
 先輩とおぼしきスタッフが「時間が掛かっているようだけど・・」と入ってきて画像を見るなり「右の眼がかすみませんか」と言う。右眼にモヤが掛かった感じがあると答えて三回目の撮影となった。何か異常があるのだろうかと思いつつ、半月後に届いた診断の結果表を恐る恐る開くと「右眼が白内障の疑いで要精密検査」と記されてあり、ドキっとする。
 老眼鏡を50代の時に作った。その後、レンズを二度ほど入れ替えている。春先からメガネをかけても文字がぼやけて見え、左目をつむると目の前に霞が掛かったようだった。友人が白内障の手術を受け、周りの景色や文字が見易くなったと聞いていた。日帰りで済んだそうだが、手術ともなるとやはり恐怖心が湧く。
 家から地下鉄でひと駅のところに三代続く眼科があり、意を決し訪ねてみる。待合室の壁に貼られた白内障手術の案内が目に止まってしまう。視力と眼底の検査を済ませ医師の話を待つ間、直ぐ手術をするのだろうかと頭の中を過った。
 検査の結果は「まだ手術の段階ではなく、進行を遅らせる目薬を出します。近々メガネを見せて下さい」と先生から告げられた。この言葉を聞いた途端に気持ちが落ち着いてきた。外に出ると検査用の薬で目の前がうっすらとしか見えない。4時間ほどで元に戻ると言われ、車でなくて幸いだった。途中でつまずかないようゆっくりと家路をたどる。
 数日後、眼鏡を持って行くとメガネショップでレンズを取り換えるよう処方箋が出された。二回目の受診で、受付や診療のスタッフが若くて綺麗なことに気付いてドキっ・・メガネが出来たら見せに行こうかしらん。

◎プロフィール

〈このごろ〉7月に続きトークショーの構成を担当する。今まで同い年と一対一だが三対一。人生の大先輩方が、進行し易いように繋げてくれた。

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