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エッセイSP(スペシャル)

3倍・・

たかやまじゅん

2014年6月16日

 卓越した力やライバル関係を例える言葉に、御三家がある。最近の本で、徳川家康が木曽川・紀ノ川・那珂川など川筋だけでなく、背後にある木曽・紀州・北関東の山林を押さえるために御三家を創設し、産業と物流を発達させたという斬新な見解があった。世界的な三強と言えばビッグスリー、言わずと知れたアメリカの自動車メーカーになる。
 いま、身近なBIG3は、舟木一夫さん、西郷輝彦さん、三田明さんの青春歌謡であろう。そのコンサートが「青春歌謡BIG3」として5月20日に札幌で催された。
 3人の歌い手の芸歴を合わせると、昭和39年の東京オリンピック前年から現在まで150年に及ぶ。これを次のオリンピックに繋げるとすれば、番組になると構成を組んでみた。選曲で聴いているうち、善いことも悪いこともそれぞれの風景が浮かんでくる。
 一緒に放送するのは、FMアップル「語り部シアター」の長谷川宏和アナウンサーであり、以前に、映画の話などで1年間レギュラー出演し、その後は、時々単発で呼ばれていた。今日、コミュニティFMと言えども、インターネット放送を通じパソコンから世界中どこでも聴ける。2009年と2012年には特番として、舟木一夫さんだけを3時間で30曲、そして5時間では50曲、たぶん一人の歌い手に特化した番組は稀ではなかろうか。そのノウハウが、件のコンサートの3日前に、3人の曲を3時間で30曲の特番となった。
 彼との出逢いは、30年ほど前に遡る。映画を紹介するテレビ番組で取材され、その担当アナウンサーであった。歳月が過ぎ、フリーとなってFMラジオで喋っていた。ここで再会し誘われたからであり、彼の滑舌は確りしている上に声が大きい。それにつられてトーンを高めると声がかすれ、それならと素のままで喋るよう努めた。
 進行のタイミングはお手のものでお任せ、自分のペースでよかった。直球を投げようが変化球であろうと返してくる。だんだんいい風が吹いてきた。13時の「高校三年生」から始まり、時間は瞬く間に過ぎ、締め括りは舟木さんの最新曲「眠らない青春」で16時となった。
 番組の途中で「長谷たかコンビ」と彼が言った。コンビでなくトンビ・・と苦笑しつつ3時間30曲を完走した満足感を胸に、当日のコンサート会場に向かう。
 ステージに耳や目だけでなく、五感を働かせていると、座席の自分は2300分の1だが、ステージから伝わって来るパワーは、倍返しどころか、3倍となっていた。

◎プロフィール

〈このごろ〉10年ぶりの名古屋に立つ。駅前で迷うほど大都会の息遣いは凄い。時の移ろいを痛感する反面、再会した人たちの人情は変わっていなかった。

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